「赤ちゃんが歩き始めるのは1歳前後」と、どの育児書にも当たり前のように書かれていました。
しかし、わが家の次男は、1歳を過ぎてもハイハイすら怪しく、お座りの状態のままお尻でずりずりと移動するばかり。
子育て支援センターに行くと、周りの同い年の子供たちがヨチヨチと楽しそうにお散歩している中、うちの子だけが床にコロンと横たわっている状態で、焦りと不安が膨らむ毎日を過ごしていました。
心配になって小児科の先生に相談したところ、お尻で移動するスタイルの特徴で、歩くのが少し遅めになる傾向があるけれど問題はないと言われ、少しだけホッとしたのを覚えています。
そこから焦らずに見守ろうと心に決めて数ヶ月、息子が1歳半を迎えたある日のことでした。
リビングでつかまり立ちをしていた息子の目の前で、私がなんとなくパッと両手を広げて手招きをしてみました。
すると、息子も真似をしてニコッと笑い、ぱっと両手を広げたのです。
何かにつかまることなく自分の足でしっかりと立ち、そこから「トトト…」と3歩、私の胸に向かって倒れ込むように歩いてきました。
ぎゅっと抱きしめた時の息子の温もりと、ついに歩けたという大きな感動は、成長がゆっくりだったからこそ、より一層深く私の心に刻まれました。
